书名 战国小町苦劳谭
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(资料图)
作者: 夹竹桃
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻译工具:ChatGPT
*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*
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千五百七十六年 十二月下旬(*原文网页序列号 - 168)
信長が発した敵の一掃宣言より一ヶ月が経過した。外部から見える静子軍の動向は、いくさの準備を整えているようには見えない。
自信长发表扫除敌人的声明以来已经过了一个月。从外部看,静子军貌似没有准备好战斗。
それというのも静子軍の兵士たちは集団で街に繰り出し、連日飲み食いを続けているからだ。
那也是因为静子军的士兵们集体出城,每天继续吃喝玩乐。
軍隊の性質上、全員が一斉に休暇を取ることが出来ず、交代で外出しているのだが、それでもかつてない規模での動きが見られる。
军队的性质决定了不可能同时给所有人放假,必须轮换外出。但即便如此,仍然可以看到前所未有的大规模活动。
織田家の中にすら静子軍が遊び呆けていると陰口を叩くものがいるのだ、外部から見れば何が起こっているのか判らず困惑するのも無理はない。
在織田家中,即使连静子军也在玩闹,有人在背后议论他们。对于外部人来说,不知道发生了什么,很容易感到困惑。
しかし、兵士たちが派手に遊んでいても、いくさの準備は着実に進められている。大量の軍需物資が集積され、計画に従って各所に分配されていく。
然而,即使士兵们大声游玩,战争的准备也在稳步进行。大量的军需物资被储存起来,并根据计划分配到各个地方。
東国征伐の中でも特に甲斐の国へ派遣される将兵たちには特別の訓練が課され、新しい装備や今までにない規則に慣熟するための演習が繰り返されていた。
在东国征伐期间,尤其是派遣到甲斐国的将兵们接受了特别的训练,进行了反复的演习以熟悉新装备和前所未有的规则。
過酷な訓練でのストレスを発散させるため、特別手当を支給して休暇中の飲み会を励行したため、大規模な放蕩にも見える動きとなって表れている。
为了释放艰苦训练的压力,在休假期间支持特别津贴,鼓励举办饮会,这种行为表现出一种大规模放荡的趋势。
「装備の準備は順調のようだね」
“准备装备的进展看起来很顺利。”
棚卸(たなおろし)(書類上の数字と、現物とが一致しているかを確認すること)が終わった報告書を眺めつつ静子が呟いた。
静子看着完成盘点(确认文件上的数字与实物是否相符)的报告书,喃喃自语。
武具の調達に関する報告書だが、これらの武具を使用するのは静子軍の兵士ではない。今静子が手にしている書類に載っている武具を使用するのは景勝たちだった。
这是关于武器供应的报告,但使用这些武器的不是静子军队士兵。现在静子手里拥有的文件中所列出的装备是给景胜等人使用的。
彼らが遂行する特殊な任務を後押しするため、遠くからでも一目で判る程に派手な装飾が施されている。
他们执行特殊任务时,装饰非常夸张,即使从远处一眼就能辨认出来,以配合任务的完成。
俗に言う『傾(かぶ)いた』恰好となっており、初めて支給予定の武具を目にした景勝は顔を引きつらせ、対照的に兼続は子供のように目を輝かせていた。
俗称为“倾斜”的样子,景胜第一次看到要发放的武器,脸上扭曲,而兼续则像小孩一样眼睛发光。
「編み上げブーツも定着したみたいだね。甲斐では日本住血吸虫に注意する必要があるから必須装備なんだけど、通常のブーツよりも更に通気性が悪くなっているから悩ましいね」
“系带靴子似乎也已经变得很流行了。因为在日本要注意住血吸虫,所以这是必备装备,但相较于普通靴子,它的透气性更差,让人很苦恼。”
静子はこれだけは例外的に大人しい鎧櫃(よろいびつ)(甲冑を運ぶ際に用いられる専用の容器)から目を離し、現代人が見ればジャングルブーツかと思うような編み上げブーツを手で撫でる。
静子不离开这个例外的安静盔甲箱(一种用于运输盔甲的专用容器),偏偏将目光移到如今的人们看来像丛林靴的系带靴子上,并用手轻抚它。
各種サイズが用意され、つま先には薄い鉄板すら仕込まれたそれは、洗練された機能美を持っていた。
各种尺寸齐备,甚至在脚趾处嵌入了薄铁板,它具有精致的功能美。
織田軍に於いてすら全員が揃いの装備を身につける制式装備という概念が無い中、足元だけとは言え一兵卒に至るまで統一しようとする静子の異質さが窺える。
在织田军队中,即使没有全体士兵穿着统一的制式装备的概念,静子的不同之处也可以看出,即使只是在脚下,她也试图让每个士兵都统一起来。
この時代に於ける一般的な足元の装備と言えば、足袋(たび)を履いて脚絆(きゃはん)を巻いた上で草鞋を履くというものだ。
这个时代一般的脚部装备是穿足袋,绑腿缠的同时穿草鞋。
しかし、この装備には防水性能など期待できず、甲斐の国への出兵に於いては致命的となる。
然而,此装备无法期望有防水能力,在出兵甲斐国时将会是致命的。
甲斐の国には日本住血吸虫の中間宿主となるミヤイリガイが群棲している。このミヤイリガイは水と接触することにより、日本住血吸虫の幼生であるセルカリアを放出する。
甲斐国群集着可作为日本住血吸虫中间宿主的宮入贝。这种宫入贝与水接触后会释放出日本住血吸虫的幼虫,即疣螺。
流行地に於いては陸上にすら生息圏を広げたミヤイリガイが、住居の明り取りの窓に群がっていることすらあるという。
在流行地区,它甚至在陆地上扩展了其栖息地,有时甚至会群聚在住所的窗户上。
つまり朝露に濡れた草むらにミヤイリガイが居た場合、日本住血吸虫に体内へ侵入されることもあり得るのだ。
换句话说,在被早露浸湿的草丛中,可能会出现宫蝇属蜗牛,从而导致感染日本血吸虫。
これを防ぐ為に用意されたのが編み上げブーツだった。足首どころか膝下までを覆うシャフトと呼ばれる部位が特徴的だ。
为了防止这种情况发生,设计出了系带靴。它的特点是覆盖膝盖以下的部分,称为鞋筒。
防水機能を徹底するためシャフトには樹脂コーティングされた帆布が用いられ、極めて通気性の悪い装備となっている。
为了彻底实现防水功能,该装备的轴使用覆盖树脂的帆布,成为极其通风不良的装备。
ここまで徹底しても履物であるため隙間が存在する。それを補うために開発されたのが、現代人であれば当たり前に目にするであろう『ガムテープ』であった。
就算我们尽可能地做到完美,由于穿着鞋子的缘故,仍然会有所缝隙。因此人类开发出了一种众所周知的补救措施,那就是“胶带”。
頑丈さと利便性を追及した結果、布製のガムテープとなっている。水分を浸透しないよう布に樹脂をコーティングした上で、接着剤を塗布した形式をとっていた。
追求坚固性和便利性的结果是变成了布质胶带。在布料上涂上树脂以防止水分浸透,然后再涂上胶粘剂。
当然現代のような工作精度は実現できないため、我々が目にするガムテープと比べればはるかに分厚く、一度貼ってしまえば剥がすのが困難という問題点がある。
当然,由于无法实现现代的加工精度,所以与我们眼中的胶带相比,它更厚,一旦贴上就很难剥离。
しかし、それでも補修や隙間を埋めるために便利に使えるガムテープの有用性は疑うべくもない。
然而,无论如何,胶带的实用性在修补或填补缝隙方面是不容置疑的。
因みに今回のガムテープに使用した接着剤は、常温では強固な粘着力を誇るが高温に弱く、水虫対策も兼ねて定期的にお湯でブーツごと煮るようにして加熱することにより剥がす事が出来る。
顺便提一下,这次用于胶带的粘合剂在常温下具有很强的粘着力,但在高温下较弱,并且为了防止脚癣,我们定期将靴子放入沸水中加热以卸除胶带。
「ご休息の処、申し訳ありません。織田勘九郎様より早馬が着きました」
“非常抱歉打扰您的休息,织田惟之助先生派人送信来了。”
「判りました」
"懂了"
報告書を読んでいた静子は、小姓から早馬の到着を告げられた。書類から目を上げた静子は、小姓より早馬が携えていた文を受け取り広げて読み進める。
读着报告书的静子被小姓告知早马已到。她从文件中抬起目光,拿过小姓递来的文书展开细读。
内容を要約すれば相談したいことがあるので時間を取って欲しいとのことであった。東国征伐に関しては既に動き出しているため、今更改まって相談が必要になることなど無いはずなのだ。
简而言之,他想要商讨一些问题,需要花费时间。但是,由于东国征伐已经开始进行,所以现在重新商讨并不必要。
とは言え、相手は織田家の次期当主であるため粗略に扱うことなど出来るはずもない。
然而,由于对方是织田家的下一任继承人,我们无法粗暴地对待。
しかも、お忍びでは無く先触れを送って公式の訪問形態をとっており、出迎え一つにしても相応の格が求められることとなる。
此外,我们采取了正式的访问形式,而不是秘密访问,并且即使是欢迎,也需要相应的级别。
更には相談の中身が不明であるため静子は何を相談されても対応できるよう、東国征伐に関する資料や自軍に関する資料を取り揃えるため奔走することになった。
此外,由于静子不知道咨询的具体内容,因此她需要收集有关东国征讨和自己军队的资料,以便无论被咨询什么问题都能做出适当的回应。
「うーん、流石に私一人だと手に余るかも。現場の責任者を呼ぶ必要があるかな」
"嗯,恐怕只靠我一个人可能处理不了。可能需要召集现场负责人。"
東国征伐の計画表や、懸念事項等がまとめられている書類を読み込んでも信忠が相談したがっていることに見当がつかなかった。
阅读了关于东国征伐计划和担忧事项的文件,但我无法理解信忠想咨询什么。
そこで実際に現場を運用している人間ならば、見えている問題点があるのではないかと静子は考えた。
因此静子想,如果那里有实际运营的人,可能会看到一些问题。
手始めに間諜を統括している真田昌幸へと出頭要請を出す。何よりも優先すべきは東国征伐そのものであるため、予定外の行動で現場を混乱させたのでは本末転倒となる。
首先,向统领间谍的真田昌幸发出出庭要求。最重要的是优先进行东国征讨本身,因此在现场进行计划外的行动将会适得其反。
それでも要請を出した翌々日には昌幸本人と間者を取りまとめている間者頭(かしら)とでも言うべき地位の人間が静子の前に揃っていた。
即使如此,隔天我发出了请求,摄政昌幸本人和负责联络的间谍头目(也可称为间谍首领)已经聚集在静子面前。
静子にすら面が割れると業務に支障が出るため、昌幸以外は覆面を付けた状態での面会となる。
为了避免静子的面容破裂影响工作,除了昌幸外,所有人都需要戴上面具进行会面。
「まずは急の要請に応じてくれたことを感謝します。皆さんの尽力により、我が軍は有利に計画を進める事が出来ています。何かと苦労を掛けるとは思いますが、これからもよろしく頼みます」
"首先感谢您对紧急请求的响应。由于大家的努力,我们的军队能够在有利的情况下推进计划。我知道有很多困难,但请继续支持我们。"
開口一番、静子は昌幸一行に謝意を述べた。間者たちは文字通り命懸けで敵地に潜り込み、有用な情報を収集した上で持ち帰ってくれる。
开口一番,静子向昌幸一行表达了感谢之意。间谍们冒着生命危险潜入敌地,收集有用信息并带回来。
彼らが静子の目や耳となってくれているお陰で危険を事前に察知して対策も打てるし、敵側が抱える弱点を効果的に突くことが出来ている。
因为他们成为了静子的眼睛和耳朵,所以我们可以预测危险并采取措施,同时也可以有效地攻击敌人的弱点。
とは言え間者は裏方に徹する存在であるため、その存在は知られども賞賛されることは皆無であった。情報の重要性を知悉(ちしつ)している静子や信長をしてさえ、表立って彼らを表彰することは出来ない。
然而,间谍一直是一个处于幕后的存在,即使他们的存在被知道了,也没有受到赞赏。即使是懂得信息重要性的静子和信长也不能公开表彰他们。
また彼らもそれを望んではいない。彼らにとって有名になることは、即ち自らの死に繋がるからだ。栄誉とは彼らの頭領である昌幸に寄せられるものであり、自らが浴するものではないと肝に銘じていた。
他们也不希望这样。因为对他们来说,成名就是自我毁灭的开端。荣誉是向他们的头目Masayuki致敬,而不是他们自己享受的东西。
しかし、それでも人間は感情の生き物であるため、こうして静子のような重鎮から面と向かって謝意を告げられて嬉しくない筈がない。
然而,人类仍然是一个有情感的生物,因此像静子这样的重要人物面对面地表示感激之情,不可能不感到高兴。
彼らは面を伏せたまま感激に打ち震えていた。それほどまでに世間一般に於ける間者の地位は低く抑えられていたのだ。
他们一直俯首带泪,充满了震撼和感激。这也证明了间谍在社会中的地位是如此的低下和压抑。
何故なら彼らを使用する立場の権力者が最も恐れる存在が他ならぬ間者であり、下手に厚遇して力を付けられては困ると言う考えが蔓延していたためである。
因为使用间谍的权力者们最为害怕,过分厚待他们会令他们更强大,因此人们普遍认为使用间谍是危险的。
しかし静子はそれらのリスクを織り込んでもなお、彼らを厚遇することにしていた。他の何処よりも優遇してくれる主君に対して、態々牙を剥くような犬ならば粛清できるだけの力を有しているのも一因ではある。
然而,即使把这些风险考虑在内,静子仍然决定优待他们。这也是因为他们拥有足够的力量来清除像狗一样对待最优待的主君的人。
「さて皆には武田及び北条の近況について気になることを教えて欲しい。情報の確度が低くても構わない、その旨を付け添えて報告して貰えれば都度勘案します。畏まる必要はありません、食事でも取りながら気軽に意見を述べて下さい」
请告诉大家有关武田和北条最近动态的要点。即使信息不够准确,也请注明并报告,我们会评估信息可信度。不需要害怕,可以边吃饭边轻松发表意见。
そう言うと静子はぱんぱんと柏手を打ち鳴らし、合図を受けた家人たちが机と料理を並べてゆく。全員が席に着き、配膳が終わるのを待って静子が無礼講を宣言した。
这时静子拍起手来,然后家人们立刻把桌子和菜肴摆好。所有人都就座后,等待上菜。静子宣布了自由餐并开饭了。
それぞれの間者頭は最初こそ困惑していたが、頭領たる昌幸が大いに笑って飲み食いし、気安く静子と会話する様を見て次第に緊張が解ける。
每个间谍头头一开始都感到困惑,但当首领昌幸大笑着吃喝并与静子轻松交谈时,紧张逐渐消除了。
静子以外の面々には少量とは言え酒も供され、宴会に熱が入ると皆の口も滑らかになっていった。
静子以外的人虽然只供应了少量酒,但随着宴会进入热潮,所有人的口才都变得得心应手。
「これは裏取りが完全ではありませんが、かなり確度の高い情報です。ここのところ穴山(あなやま)梅雪(ばいせつ)が徳川方と接触しているようです」
“这并不是完全的线索,但是是相当高准确度的信息。最近穴山梅雪似乎已经与德川方面联系了起来。”
「ふむ。穴山といえば武田家譜代の臣、御一門衆の一角。それほどの大物が徳川に内通するか、当代である勝頼との間に不和があるとも聞かないけれど確かなのかな?」
「嗯。提到穴山,他是武田家谱代的臣子,是御一门衆的一员。这么重要的人物会与德川通敌吗?我没有听说他和现任的勝頼之间有矛盾,但这是确实的吗?」
穴山は史実に於いても勝頼を裏切り、信長と内通した実績を持つ。しかし、史実の状況から大きくズレが生じている現状、静子としては穴山の裏切りに懐疑的であった。
穴山在史实中有背叛信长并与信长通敌的记录。然而,考虑到史实的情况,目前存在着很大的偏差,静子对穴山的背叛持怀疑态度。
なにしろ開戦前から大勢は決しているため、今更裏切ったところで彼が厚遇されることなどあり得ない。内通したふりをして織田方の情報を探るダブルスパイになられても面倒であるため、内側に招くこと自体が得策でない。
无论如何,在战争之前,情况已经决定了,因此现在背叛并不会得到他的优厚待遇。为了避免麻烦的假内通行为,成为寻找织田势力信息的双重间谍并不是明智之举,因此将他招入内部也不是一个好主意。
何より武田は、織田家こそが武家の統領であるという事を世間に知らしめる贄(にえ)である。ボロボロの武田を討つよりも、少しでも充実した陣容の武田を討ち破った方が宣伝効果は高くなる。
最重要的是武田作为祭品向世人宣传织田家才是武士的领袖。比打败破落的武田更有宣传效果的是击败充实阵容的武田。
「故に徳川方なのです。織田家には取り入る隙がありません。しかし徳川様ならば……」
因此我们是德川一方。在织田家里没有机会接近。但是如果是德川阁下……
静子の言わんとするところを察して、間者頭が自説を述べる。確かに敵方にも広く門戸を開いている徳川家ならば、穴山が登用される目もあろうというものだ。
察觉到静子的意思,间者头陈述了自己的看法。德川家庭虽然在对敌方开放了大门,但也可能会看中穴山的才能。
「なるほど。徳川家も有能な家臣を抱えてはいるが、それでも覇道を目指すならば心もとないと言ったところか」
“原来如此。虽然德川家也拥有能干的家臣,但是如果要追求霸道的话,似乎还存在不足之处。”
穴山としてもみすみす勝算の無いいくさに身を投じるよりも、穴山家当主として己が血筋を残す義務がある。たとえは悪いが一部上場企業に採用されずとも、二部上場の企業ならば第一線で活躍できると考えるのは当然かもしれない。
身陷毫无胜算的战斗,作为穴山家的继承人,有责任延续自己的血脉,而非轻易妥协。即使没能被某些上市企业录用,也可以在二级市场上活跃,并不失为一种正当选择。
実際に徳川家ならば武田の重臣を召し抱えた場合、甲斐の国を支配する上で有利に働くことは間違いない。甲斐の民にとっても馴染みのある穴山が窓口となれば、無用な摩擦は避けられるだろう。
如果德川家族真的雇用了武田家的重要将领,对于征服甲斐国将会有不小的好处。如果让当地人熟悉的穴山成为窗口,那么就可以避免一些不必要的摩擦。
そして徳川家康自身にとっても、有能であれば敵であっても重用するという度量を示すことで、有能な武将が集まりやすくなる。
通过展示出就算是敌人也会器重、重用有才干的人才的气度,德川家康自身也能更容易地吸引到有才干的武将们。
「穴山がそう企むのは勝手だけれど、戦後の武田領についての差配は上様の専決事項、そうそう思うようには進まないよね」
“穴山有自己的谋划是可以的,但关于战后的武田领地分配,那是上方的专属决定事项,不会像我们想的那样顺利进行。”
東国征伐を大々的に宣言し、音頭を取っているのは信長である。家康はあくまでも信長との同盟関係から補佐に名乗り出ているだけであり、下手をすれば彼らが武田と切り結ばない可能性すらある。
宣布东国征伐并带头打响战鼓的是信长。家康仅仅是在辅助信长的同盟关系之下提出帮忙,甚至有可能他们不会与武田结盟。
更に言えば織田家と徳川家の結びつきが余人からは想像し得ない程に強固になっているというのもある。資本関係の無い別々の企業かと思っていたが、完全にサプライチェーンに組み込まれたグループ企業に似た立ち位置になっていると言えば判り易いだろうか。
此外,可以说织田家和德川家的联系已经变得非常紧密,以至于其他人无法想象。虽然我以为它们是两个没有资本关系的独立企业,但它们已经成为完全融入供应链的集团企业的类似位置。
現代の国家になぞらえるならば米国と日本の関係に近い。『米国がくしゃみをすれば、日本が風邪をひく』という言い回しがあるように、既に織田家と徳川家は切っても切り離せない関係になっているのだ。
如果把现代国家作类比的话,可以说美国和日本的关系很接近。正如俗话所说的,“美国打喷嚏,日本就会感冒”,織田家和德川家早已成为难以言破的紧密关系。
仮に徳川家が織田家に反旗を翻そうとも、既に支配領土も保有戦力も、経済力ですらけた違いである。そうした状況を一番間近から静子を窓口として観察しているだけに、徳川家としても迂闊な行動を取るわけにはいかない。
即使德川家族把旗帜翻向织田家族,但是现在的治理领土和战斗力,甚至经济力量也有巨大的差异。因为静子是最亲近的观察者,德川家族也不能采取冒险的行动。
何せ下克上を企んでいると疑われることすら不利益につながるのだ。尤も家康とて唯々(いい)諾々(だくだく)と従っているわけではないだろう。いずれは織田家に成り代わらんと、虎視(こし)眈々(たんたん)と機会を窺っていることは疑いようもない。
若被怀疑谋夺权位,即便不是谋反,也同样不利。尽管家康没有绝对服从,但他也不会轻举妄动。毫无疑问,他一直在等待机会夺取織田家的地位。
ここまでの状況を考慮すれば、徳川家が穴山を迎え入れる可能性は、当の穴山がそれを理解しているか否かは別として相当に低いと予想される。
考虑到此前的情况,预计德川家迎接穴山的可能性相当低,而不关乎穴山是否明白这一点。
「一応他所(よそ)の人事に口を出す権限はないけれど、穴山は上様の不興を買うリスクを冒してまで欲しい駒なのかな?」
"虽然一般来说他没有干涉其他部门的权力,但他是值得冒着得罪上级的风险去争取的人才吗?"
「甲斐の国に関しては例の問題(日本住血吸虫のこと)があるため、民草の生活様式から一変させる必要があります。前例を踏襲したがる前統治者の重臣など害にしかならないでしょうな」
“由于存在日本住血吸虫的问题,甲斐国需要改变民众的生活方式。前任统治者信奉前例的重臣等只会带来害处。”
「そうだね。裏切らせておいて捨てるのも外聞が悪いし、そもそも交渉を決裂させるのが利口なやり方だろうね」
“是的。让人背叛然后抛弃也会对外界形象不好,而且破坏谈判本来就是一个聪明的做法吧。”
更に言えば行軍を共にする以上、甲斐の国が抱える呪縛にも等しい環境汚染については説明済みである。そして幼少期より苦労を重ねてきた家康は、「お前には無理だろうが、俺ならばもっと上手にやる」といった大口を叩かないだけの分別があった。
而且,由于我们一起行军,所以已经对甲斐国所面临的环境污染问题进行了说明。家康从幼年时期就经历了许多苦难,他有足够的判断力不会像你这样大话连连。
哀しいかな現代に於いても頻繁に指導者たちが口にするこの台詞(せりふ)だが、実際に成果を上げた人というのは絶無とは言わないがほんの一握りに過ぎない。外から見ていれば簡単そうに見える事柄でも、実際にやるとなれば相応のむずかしさが存在するのである。
可悲的是,在现代,领导人们经常说出这句台词,但实际上,能够取得成果的人并不是没有,但只是极少数。即使是外界看起来很简单的事情,实际上去做时也存在相当的难度。
「穴山の件については暫く私の処で留めて置きましょう。ある程度の裏が取れ次第、私に報せて下さい。私から上様に話をするようにします。徳川様が上様に何らかのご相談をされていれば良し、さもなくば少し東国征伐に影響が出るかもしれませんね」
“有关穴山的事情,请暂时交给我处理。在一定程度上了解情况后,请通知我。我会向上级谈话。如果德川先生向上级请教任何事情,那就好了,如果没有,东国征伐可能会受到一些影响。”
「上様に!? その……絶対と言える程の証拠は穴山本人を攫いでもしなければ得られませんが……」
"对于上级来说!?那个……绝对可以证明的证据只有通过绑架穴山本人才能获得……"
間者頭が不安を抱くのも無理はなかった。過去に信長は確証のないあやふやな情報を齎したもの、逆に確証がないからと重要な情報を報告しなかった間者を例外なく処断している。
间谍头脑中担忧的并非无稽之谈。在过去,信长曾带来一些没有确凿证据的不明确情报,并对没有提供有力信息的间谍做出了毫不留情的处决。
信長がそれだけ情報というものを重要視している証左だが、当の間者から見れば冷酷無情な人物に映っていた。信長からすれば侮られるよりは、恐れられた方が良いと一笑に付すだろう。
“这证明了信长对情报的重视,但对于他的间谍来说,他看起来像是一个冷酷无情的人。对信长来说,被敬畏比被轻视更好,他会得意地微笑。”
「情報には鮮度というものがあります。釈迦に説法となりますが、確証を得るため徒(いたずら)に時間を掛けるよりも、情報確度を添えて報告した方が上様は喜ばれるでしょう。かの御方は剛毅(ごうき)果断(かだん)ですが、狭量な主君ではありません。情よりも実利を優先される方であり、有用ならば決して無下に扱うような真似をされません」
「信息有新鲜度之分。虽然这像是给释迦说法一样,但相比于无意义地花费时间来确保准确性,提供附带信息准确度的报告会更容易得到上司的欣赏。虽然那位上司很坚定果断,但并不是狭隘的主人。他更注重实惠而非情感,并且如果信息有用的话,就绝不会无视它。」
「ははっ」
"哈哈"
「今後の方針としては穴山の動向に一層の注意を払って下さい。徳川と繋がっている裏が取れれば、それ以上の監視は不要です。逆に交渉が決裂したとわかった場合も、監視を終了して下さい」
作为今后的方针,请更加注意穴山的动向。如果能够找到与德川有联系的背景,那么就不需要再进行更深入的监视了。相反,如果发现谈判已经破裂,也请停止监视。
大事の前であるため、念には念を入れて対策を講じたが、静子はこの件を楽観視していた。静子の見る限りに於いて、家康は間違いなく有能な人物であり、この程度の局面で判断を見誤るような小者ではないからだ。
由于大事将要发生,我们采取了最谨慎的应对措施,但静子却乐观地看待这件事。在静子看来,家康无疑是一个能干的人,他不会在这种关键时刻做出错误的判断,这不是小人所能做到的。
恐らく遠からず穴山との交渉は決裂し、失意にくれた穴山は別の受け入れ先を模索することになるだろう。徳川家の中で重要な地位を占められると困るが、それ以外であれば放置しても構わないというのが静子の認識であった。
恐怕不久之后,与穴山的交涉将会破裂,失望的穴山将不得不寻找另一个收容所。尽管她担心他在德川家族中占据重要地位,但静子认为如果在其他地方他也不重要,那么就可以不管他了。
「穴山に関してはこれで良しとしましょう。他には何かありますか?」
「关于穴山,我们就认为这样已经可以了。还有其他事情吗?」
「はっ、実は——」
“啊,实际上——”
静子が再び話を振ると、穴山の件が呼び水となったのか、他の間者頭も次々に声を上げ活発な議論が始まった。
当静子再次提起话题时,穴山的事件似乎成为了引起其他间谍头子们积极讨论的导火索,他们纷纷发言,展开了热烈的讨论。
信忠からの先触れを受けて以来、武田と北条に関する情報を整理し、万全の準備を整えた上で正装に身を包んだ静子自らが信忠を出迎えた。
自从接到信忠的预告后,静子整理了有关武田和北条的信息,并做好了充分的准备,穿上正装亲自去迎接信忠。
一方の信忠と言えば、供すら連れず一人でふらりと現れたかと思えば、突拍子も無い事を言い放った。
一方面是信忠,他连随从都没有,一个人漫不经心地出现,就像突然说出了不可思议的话。
「随分とめかし込んでおるようだが、今日は何かの祝い事か?」
“你打扮得相当漂亮,今天是什么庆祝活动吗?”
はじめは信忠の言葉を理解できなかった静子だが、ふつふつと怒りの感情が湧きあがった。静子は悪戯をした子供を叱るかのように信忠の頭を叩こうとしたが、日々鍛錬を積んでいる信忠は紙一重で身を躱(かわ)す。
开始时静子无法理解信忠的话语,但她内心涌起了愤怒的情绪。静子想要像责骂恶作剧孩子一样打信忠的头,但是每天都在锻炼中的信忠巧妙地躲开了攻击。
「何をする、危ないではないか」
"做什么呢,这不危险吗"
「正式な遣いを寄越すから、相応の出迎えをした私に対して、その言い草はないでしょう?」
“既然我提供了正式的使者,你们也应该给予相应的接待,不要说出这种话来吧?”
「なるほど、そう受け取ったか。静子が日頃から父上が唐突に押しかけて来ると愚痴をこぼしていたから、先触れを出したまでのこと。俺と貴様の間柄なのだから堅苦しい形式なぞ要らぬ」
“原来如此,你是这样理解的。这只是提前通知了一下,因为静子经常抱怨她父亲突然闯进来的事情。我们之间没有必要保持拘谨的形式。”
「……判った。それじゃ織田家の次期当主ではなく、近所の悪ガキ相手だから晩餐(ばんさん)は不要だね」
"明白了。那么我们不是继承織田家的下一任当主,只是和附近的坏孩子打交道,晚餐就不必了。"
「折角用意して貰ったものを無駄にするのは惜しい、有難く頂戴するとしよう」
「既然别人费心准备了这个东西,浪费了太可惜了,我就谢谢收下了吧。」
二人は互いに軽口を叩き合いながら静子の私室へと移動した。当初の予定では信忠を上座に据えて、謁見の間にて会談予定だったのだが中止となった。
两人一边嬉笑着,一边走进了静子的私人房间。最初的计划是让信忠坐在上首,进行会谈的謁见。但是这一计划被取消了。
襖一枚隔てた隣室には才蔵や小姓も控えているが、今この部屋にいるのは静子と信忠の二人きりとなり、掘り炬燵(ごたつ)に向い合せに座ると信忠が口を開いた。
隔壁一间房里有才藏和小姓在等待,但现在只有静子和信忠两人在这个房间里,他们坐在火炕上对面,信忠开口说道。
「次期当主とは言うが、あの通り父上もご健勝だ。当分お鉢が回ってくることはあるまいよ。堅苦しい応対は勘弁してくれ」
“虽然他是下一任继承人,但如你所见,我父亲还身体健康,现在不必担心谁会继承家业。别太拘谨,言谈举止随意一点就好了。”
意外に寒がりな信忠は炬燵の天板に顎を載せ、掛布団に潜り込むようにして暖を取っている。静子はその様子を苦笑しながら眺めつつ、手ずから籠に盛られた蜜柑の皮を剥いてやると信忠に差し出した。
意外地寒性的信忠将下巴放在暖炉桌上,像钻进被子一样取暖。静子一边苦笑着看着他,一边亲自剥了橘子皮,递给了信忠。
信忠はそれを片手だけ掛布団より出して受け取り、一房ずつに小分けにして口に放り込んでいる。
信忠用一只手把它从床垫里拿出来,然后把每一串都分成小份并放到嘴里。
「いきなり当主に祀(まつ)り上げられるよりも、こうして習熟期間がある方が良いでしょう?」
“相较于突然就被封为家主,还是有一个熟悉期较为适宜吧?”
「確かにな。しかし、欲の皮が突っ張った連中どもの腹の探り合いにはうんざりさせられる。そういう横車を押そうとする輩に限って役立たずときているから始末に負えぬ」
“确实啊,但是让那些贪心的家伙互相算计,真的让人感到厌烦。正是那些试图搅局的人才是无用的,所以很难应对。”
「そうだね。でもいくさの無い泰平の世になれば、そうした腹芸の出来る人が台頭してくるからね。武官はうかうかしていると閑職に追いやられるかもしれないよ?」
“是啊。但是如果进入了没有战争的太平世界,那些有这种才能的人就会崛起。武官如果不小心会被调到闲职哦。”
史実に於いても豊臣政権下で武官と文官の対立が見られた。豊臣政権の転覆を企む徳川家康が対立を煽ったという側面もあるものの、武断派(軍務を担う派閥)と文治派(政務を担う派閥)は互いに反目し合い対立を深めた。
历史上,即使在丰臣政权下也出现了武官和文官之间的对立。虽然德川家康企图颠覆丰臣政权并挑起对立,但武断派(负责军务的派别)和文治派(负责政务的派别)彼此矛盾,加深了对立。
武断派の代表格である加藤清正や福島正則らは豊臣秀吉による天下統一が進むにつれ、活躍の機会を奪われて燻(くすぶ)るようになる。
武断派的代表人物加藤清正和福岛正則等随着丰臣秀吉的天下统一进展,失去了发挥才能的机会,变得闷闷不乐。
一方、石田三成や小西行長に代表される文治派は、政権の内政を担うことで存在感を発揮し、徐々に重要な地位を占めるようになった。
一方,以石田三成和小西行长为代表的文治派通过承担政权的内政工作来展现自己的存在感,并逐渐占据了重要的地位。
まんまと豊臣政権を崩壊に導き、天下を取った徳川家康も後に武断派と文治派の対立に頭を悩ませることになるのは、皮肉としか言いようがない。
真讽刺的是,成功引导丰臣政权崩溃并统治全国的德川家康,后来也陷入了武断流和文治流的对立之中。
ただ徳川幕府は豊臣政権とは異なり、家康を中心とした中央集権化が推し進められており、強権を以て対立を諫める事が出来たため大事には至らなかった。
唯有德川幕府与丰臣政权不同,以家康为中心的中央集权得到推进,并以强权压制减少了冲突,因此并未到达危机的程度。
「静子ならばいずれ訪れる泰平の世に於ける文官と武官との対立をどう収める?」
「如果静子在泰平的时代到来时,如何解决文官和武官之间的对立?」
「そうだね、命懸けで身を立てた事に誇りを持っている武官には領地という目に見える見返りを与え、代わりに官位を与えない。逆に文治派は領土を与えない代わりに、役職や官位を与えることで身分を安堵して均衡を取るかな」
“是的,为了自己的生命奋斗并感到自豪的军官们会被给予领地作为可见的回报,而不是官职的奖励。相反,文治派会通过给予职位和官职来确保平衡,而不是提供领土。”
静子の回答に興味を持ったのか、信忠は半分に割った蜜柑を一口に食べた後に言葉を放つ。
信忠剖开一半的柑子吃了一口,然后开口说话,似乎对静子的回答很感兴趣。
「人の欲には限りがない。領土を手に入れたならば、次は官位を得たいと思うのが世の常ではないか?」
「人的欲望是无止境的。如果获得了领土,难道下一步不是想要获得官职吗?这不是世间的常态吗?」
「当然そうなるだろうけど、両方を欲するのならば軍務・政務の双方で頭角を現して貰わないとね? 泰平の世になれば武力が持つ重要性は下がるのが道理。過去の栄光に縋(すが)るのでは無く、新しい時代に適応したものが生き残る。『適者生存』こそが自然の摂理だよ」
「当然会变成这样,但是如果你想要两者兼顾,那就必须在军务和政务双方都表现出自己的头角才行。在太平盛世中,武力的重要性会逐渐降低,这是理所当然的。我们不能依靠过去的辉煌,而是要适应新时代,只有适者才能生存,这才是自然规律。」
「半生を武に捧げた老兵には厳しいな」
“对那些献出半生于战争的老兵来说太残酷了”
「領土と官位の両方を得て絶大な権勢を誇るようになれば、権力と権威が一極集中するから危険だよ。特に領土は個人ではなく、家に与えられているから後継者が愚鈍ならば暗君を生むことになる」
"如果同时获得领土和官位,拥有巨大的权力,权力和威望会集中到一个点上,这很危险。特别是领土不是属于个人的,而是属于家族的,如果继承人愚蠢的话,会造成暴君的产生。"
江戸末期までの日ノ本では、家格を官職と位階で示すのが一般的であった。戦国時代に於いても朝廷より賜る官位は、領地を治める大義名分として利用された。
在江户末期之前,日本通常用官职和位阶来表示家族的社会地位。即便在战国时代,朝廷授予的官职也被用作治理领地的名义。
中でも有名なのは上杉家が持つ関東管領(かんとうかんれい)だろう。上杉謙信はこの役職を理由に幾度か北条へ攻め込んでいる。
其中最著名的应该是上杉家拥有的关东管领职位。上杉謙信曾因此职位多次攻打北条家。
現代でも言えることだが、財産(領土)や肩書き(官位)の持つ影響力は大きい。不相応な地位を得たものは往々にして問題を起こす。
现代仍然适用的是,财产(领土)和职称(官位)的影响力很大。获得不相称地位的人往往会引发问题。
「本人が身を滅ぼすのは自業自得だけれど、最終的にツケを払わされるのは領民となる」
“自食其果毁己身固然应该,但最终背上代价的是百姓。”
「なるほどな。もし民が暴動を起こせば、それを理由にお家を取り潰す事も出来るという訳か」
“原来如此。如果人民发生暴动,就可以以此为理由拆掉他们的房子。”
「阿漕(あこぎ)なやり口は反発を招くよ? 良く使われる手ではあるけれど、生殺与奪に関わることに安易な手段で踏み込めば、手痛いしっぺ返しを貰うことになる」
「阿漕的做法会引起反弹,虽然这是一种常用的手段,但如果轻易地采取这种手段干涉生杀予夺的事情,就会遭受痛苦的报复。」
泰平の時代が長く続いた江戸時代では、地方の大名がもつ力を削ぐため参勤交代や転封が行われ、統治の失敗を理由にお家取り潰しが横行した。
在泰平时代长期持续的江户时代,为了削弱地方大名的力量,进行了参勤交代和転封等措施,并且由于统治失败而广泛实行了家族解散。
「何事もほどほどが肝要よ。やり過ぎは社会不安を招くけれど、渦中の人間はそれに気付けないから問題だね」
一切事情都需要适可而止。过度会导致社会不安,但人们往往在危机中忽视这一点。
徳川幕府に於いて初代の家康から三代将軍の家光までは、幕府による支配構造を定着させるため豊臣系の大名を潰して回った。
在德川幕府从第一任将军家康到第三任将军家光期间,为了确立幕府的统治结构,他们将丰臣系大名摧毁了。
お家を取り潰せば、当然その禄(ろく)を食(は)んでいた家臣も食い扶持を失い、浪人となって流離(さすら)うこととなる。
若府邸被拆除,自然会失去那里的家臣们的收入来源,他们也将失去谋生手段,成为流浪者。
浪人となった彼らは再度仕官できる先を求めるが、余程の才覚があるもの以外は門前払いとなってしまう。中には武士の身分を捨てて農民に身をやつす者もいた。
成为浪人后,他们寻找重新入仕的机会,但除非具有出色的才智,否则大部分人都会被拒之门外。有些人甚至放弃武士身份,成为农民。
こうした扱いを受けた者たちの不満は、原因となった幕府へと向かい慶安(けいあん)の変や、承応(じょうおう)の変となって表面化することになった。
这些人的不满被指向导致这种处理的幕府,并在庆安之变和承应之变中显露出来。
こうした事件が更に武力に依る革命を嫌う気風を生み、武断から文知への方針転換を後押しすることになる。
这些事件会进一步培养不愿依赖武力革命的氛围,并助推从武断到文知的方针转变。
「いやはや為になるな。この調子で俺の補佐もして欲しいものだ」
“哎呀,真是受益匪浅啊。希望你能继续以这样的状态为我效力。”
「調子に乗らない。王者は常に孤独なものよ、最終的に決断を下すのは貴方になるんだから」
"不要得意忘形。王者常常是孤独的,最终决定在你手中。"
「良いではないか。俺にだって誰かに頼りたい時もある。武田に関しては懸念も消えたが、北条は如何ともし難いのだ」
“不错啊。就算是我也有想要依赖某个人的时候。虽然关于武田的担忧已经消除了,但北条却难以处理。”
信忠の言う武田に関する懸念とは、彼が予(かね)てより文を通じて関係を深めていた武田信玄の五女にあたる松姫であった。
信忠所关注的关于武田家的问题,是他曾经通过书信与加深联系的武田信玄的五女松姬的情况。
第一次東国征伐以降途絶えてしまっていた文のやり取りは、華嶺行者という規格外の配達人の登場を機に再開されることとなる。
自第一次东国征讨之后,一直中断的文书往来,在名为华岭行者的特殊信差出现后得以重新开始。
単独で道なき道を踏破し、誰にも見つかることなく信忠の文を松姫に届け、あまつさえ彼女からの返信すらも持ち帰ることが出来るのだ。
独自穿越无路之路,将忠诚之文送达给松姬而不被任何人发现,甚至还能带回她的回信。
二人の話題は必然的に第二次東国征伐に関することに収束してゆく。互いに想い合っている者同士が敵となる運命の悪戯に翻弄される若い二人に、思いもよらない手が差し伸べられた。
两个人的谈话不可避免地汇聚到对第二次东国征讨的讨论。在彼此相爱的两个年轻人被命运捉弄成敌人的情况下,他们被伸出了出乎意料的援助之手。
救いの手は信忠の許へ書状と言う形を取って届けられる。差出人は武田勝頼であり、内容は遠くない将来に敵同士となる自分達に松姫を巻き込むのは余りにも不憫(ふびん)。
救援的手段将以信忠的名义以书信的形式抵达。寄信人是武田胜赖,内容是将松姬卷入我们不久将成为敌对双方的冲突中,这是太过不幸的。
敵対を前にして松姫は信玄の菩提寺でもある恵林(えりん)寺に身を寄せさせ、勝者となった側が迎えに行くというものであった。
在敌对面前,松姬依靠信玄的菩提寺-惠林寺,并有胜者前来接她的约定。
この勝頼の提案は、信忠と松姫側に否やは無く。勝頼としても己が敗北を喫したとしても、武田の血統を歴史に残すことが出来る起死回生の一手でもあった。
这个胜须的提案,信忠和松姬没有反对。即使输了,作为胜须也能用此计划来保存武田家族的历史,是一种突出重围的策略。
「北条の件って……もしかして、柴田様が絡んでいる?」
“北条的事情……难道说,柴田大人也牵涉其中?”
眉を顰(ひそ)める信忠に静子は問い掛けた。静子の問いは正鵠(せいこく)を射ていたようで、信忠は柴田の名を耳にした途端に身を固くして押し黙る。
眉头皱起的信忠被静子问道。静子的问题正中要害,信忠在听到柴田的名字后,立刻变得僵硬,沉默了下来。
信忠としても気が緩んでいたのだろう、姉貴分である静子には決して見せないつもりの弱みを漏らしてしまった事を悔いていた。
作为忠诚的人,他可能也松懈了,他为自己向静子这个姐姐展示自己绝不会让她看到的弱点而感到后悔。
信忠の様子を見て状況を察した静子は信忠に気付かれないようにため息をついた。信忠にとって譜代の重臣というのは厄介な存在だ。
看着信忠的情况,静子心领神会地叹了口气,以免被信忠察觉。对信忠来说,世袭的重臣是一个麻烦的存在。
前述の武断派に於ける急先鋒であり、今回の東国征伐でも北条征伐の総大将に収まるなど、信長からの信任も厚い。
他是前述的武断派的先锋,也是这次东国征讨中征服北条的总指挥官,受到信长的信任。
信長の後継者という立場上、信忠が東国征伐全体を統括する総大将に据えられているが、武功の不足は他ならぬ信忠が一番自覚しているところであろう。
作为信长的继承者,信忠被任命为东国征服的总指挥,但他很清楚自己的战功不足。
「意識するなって言うのは無理なんだよね?」
「说不要意识是不可能的吧?」
「俺が父上の後継者として誰恥じぬ武功を立てねば、その身一つで成り上がった御仁に気後れしてしまう」
“若我不能作为父亲的继承者立下光彩夺目的功勋,我将因为在身体力行的人面前产生畏惧而感到羞耻。” (Simplified Chinese)
「今回の東国征伐で頑張るしかないよね」
“这次东国征讨只有努力不懈了啊。”
「待ってくれ! ここまで恥を晒したんだ、何か助言の一つもあって良かろう?」
“等一等!我已经出丑到这种程度了,你们不会给些建议吗?”
「そこは、ほら。私は織田家内の権力闘争には極力関わらず、天下統一がなった暁には隠居したいと思っているから……」
"那个地方,看,我尽可能不涉足织田家内部的权力斗争,因为我想在天下统一之后隐退……"
「静子が隠居なぞ出来るはずが無かろう! 白昼夢にしても酷いぞ」
"静子不可能过着隐居的生活!即使是白日梦也太过残忍了。"
「いやいや、流石に世俗を捨てて出家すれば隠居出来るはず!」
“不,如果放弃世俗而出家,应该可以隐居。”
「還俗(げんぞく)という手段がある以上、出家しても連れ戻されるだけだ。そもそも父上の目が黒いうちは、出家など許されぬだろう」
只要有还俗这种手段,出家也只会被追回而已。而且说实话,只要父亲还不同意,就算想出家也不会被允许的。
「……仮に出家しても、寺まで押しかけてくる様が容易に想像できるよね」
“即使出家,也很容易想象会有人来找寺庙的麻烦。”
信忠が言うように出家しても信長に振り回される未来を予見できてしまい、静子は悄然と肩を落とすのだった。
听信忠的话出家,静子预见到自己即使离开了世俗仍会被信长左右,她黯然失落。
「しかし、静子の言うように柴田殿に対抗するため武功を上げたとて、いずれは文治派の台頭が待っている。既に武断派と文治派の対立の兆しは見えているし、それまでに俺は政務能力でも功を示さねばならない」
“然而,就像静子所说,即使为了对抗柴田而提高武艺,未来也将会迎来文治派的崛起。武断派和文治派的对立已经显而易见,因此在那之前,我必须表现出卓越的政治才能。”
「助けが欲しいなら勝蔵君を連れていく? 彼は力押しが目立つけれど、彼の真骨頂は頭脳戦にこそあるんだ」
如果你需要帮忙的话,要带上胜藏君吗?他虽然喜欢用武力解决问题,但他真正的长处在于头脑战。
「あの言動ながらに文化人だからな。長可を良く知らぬ者は疑ってかかるが、あ奴は頭の回転も早く柔軟な発想力を持っている。ただ誰の目にも判り易い暴力に依る解決を好むから乱暴者に見えるのだがな」
“即使那种言行,他也是一个文化人。不了解长可的人会持怀疑态度,但他头脑转得快,拥有灵活的思维能力。只是因喜欢依靠暴力来解决问题,所以显得有些野蛮。”
軍規違反の常連である長可だが、流行の最先端である茶の湯を嗜み、筆をとらせれば京の文人をも唸らせる。更には和歌を詠ませても一流どころに見劣りしないというのだから驚かされる。
长可是个经常违反军规的常客,但他却喜欢茶道这样时髦的活动。他的书法甚至能让京城文人都惊叹不已。更令人惊奇的是,他的和歌虽不及一流名家,但也毫不逊色。
「そう言えば、当の本人の姿が見えないようだが?」
“说起来,主角的身影好像看不到?”
「勝蔵君? 死地に身を置くとか言って、慶次さんと鬼ごっこしているよ」
"胜藏君?他说要置身于死地,结果和慶次先生玩捉迷藏游戏呢。"
「そうか……」
“原来如此……”
信忠は己を助けてくれるかも知れない人物の無事を密かに祈っていた。
信忠暗自祈祷那些可能会帮助自己的人平安无事。
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